パンやま日記

パン山さんとの戦いを綴る日記

パン山 vs 同期不在

1/23に国際会議のカメラレディ原稿締め切りがあるというのにあろうことか未だ追実験の結果が出ておらず,もはや研究者諦めてその辺でカフェでも開くかとか思ってたが,今日ようやくそれっぽい結果が出たのでバリスタデビューは延期となった.しかしながらまだ考察が全然詰め切れておらず,かつ図表差し替えなんかもほとんど残ってるので,熟練のバリスタ達が常に後ろからパン山さんを手招いている状態となっている.先日購入したBRUTUSのCoffee book曰く,コーヒーブームは第3世代(the third wave)に突入.バリスタたちはヴィンテージの焙煎機やエスプレッソマシンにこだわり,コーヒーの味をまるでワインのように語るらしい.乗るしかないこのビッグウェーブに!

ところでここ数日特に結果に恵まれず,計算機を回してはとぼとぼ家路につき,次の日の朝結果を見て落胆するような,そんな日々を過ごしていた.そんな状況においてもTwitterでだけは愚痴るまい!と思ってたが本日とうとう爆発してしまい,Followerの方々には非常に見苦しいpostsを見せてしまった.同じような佳境に置かれたことはこれまでに何回かあったが,今回は特に身近に愚痴れるようなライバル的存在がいなかったのが痛かった.うちのチームは非常に少人数であるし,かつ同期がおらんので,この結果が出ない感を両手離しに愚痴ることができない.今年度の頭はそれでも悠々自適に研究してたが,いざ佳境に突入すると,同期がおらんのは辛いなあ,と思ってしまった.時々Twitterのタイムライン上で結果が出なくて辛そうにしている人を見つけては,勝手に共感していた.来年度はせめて週1くらいで,研究経過を報告し合うようなミーティングがしたい…

「絶望との戦い」とか「孤独な戦い」といったものは,ゲームや映画だと熱い展開だったりするのだけど,いざ我が身に降り掛かると非常に鬱陶しい.この理由は明快で,自分自身ではそのストーリーの結果が分からんからである.その一方で,こういった境遇を「ストーリーの一部」としてメタな視点で見ることで,ある程度気が紛れることが経験的に明らかになっている.具体的にはこのように冗談まじりの日記を書くなどすれば良いのだが,いざ真に混乱した状況に陥ると,そういったことをする余裕もなくなってしまうので困ったものである.その人のテンパり具合を推定して,適切なタイミングで日記を書くことを促すようなシステムが望まれる.ここ数年は研究で人間の集中状態の推定なんかをやってるが,混乱状態の推定の方が有用なのではないだろうか?

ちなみに,一般に人間を扱う研究では,問題設定および実験統制が重要になる.神経生理系や認知心理系ほどではないが,パン山さんがやってる研究でも,ある程度実験統制には気を遣ってる.難しいのは問題設定で,「実験によって統制できるような」問題を設定しなければならない.上の例だと,「人間の混乱状態」というものをground truthが得られる形で統制しつつ,諸々を計測しなければならない.これは結構難しそうだ.

ともあれ,こうやって日記を書くくらいまで復活してきたので,この調子で一気に原稿を書ききってしまいたいところ.このカメラレディさえ出してしまえば,とりあえず2月は多分悠々自適に研究できるはず.バリスタも諦めてどっか行くだろう.

—しかし忘れるな
—汝が再び研究で詰まるようなことがあれば
—我々はなんどでも汝を勧誘に訪れるだろう

「あ,あんたたちは一体何なんだ…!」
—我々はバリスタ…至高のコーヒーを生み出す存在
「まさか,the third waveもあんたたちが…」
—そこまで辿り着いたのなら,後少しだ.待っておるぞ.選ばれし子羊よ…