パンやま日記

パン山さんとの戦いを綴る日記

パン山 vs 精神的な拠り所

実家に帰省していた.

ひたすらテレビ*1見たりゲーム*2したり本読んだりしてた.
本は帰省前に買った,amazon:ゲーデル 不完全性定理 (岩波文庫) という本.大半をゲーデル不完全性定理を発表するまでの科学史に割いている(ヒルベルトとか).内容については非常に面白いのだけど,完全に理解しきれてないし,何よりまだ読み切っていない*3ので,稿を改める.ただ,非常に魅力的なフレーズがあったので引用しよう.


"革命と呼ばれるほどの新科学理論の送出には,その創始者の「哲学」や個性が関与していることが多い.多くの場合,新理論は熟した実が枝から落ちるように,時期が到来して自然に生み出されるものなのだが,それがある個人によってなされるには,理由がある場合が多い.新理論がその発明者として適した思想を持つ個人を「選ぶ」のである."


このパラグラフには引用がなかったので,林晋先生(http://www.shayashi.jp/)のご意見だと思う(あるいは科学史界隈では常識なのだろうか?).本の中ではモデルや公理を作ろうと奔走している数学者達の踏ん張りが多く描かれているが,哲学的な話がしばしば出てくるのが非常に興味深い.特に情報学を学ぶにあたって自身の「哲学」が重要であるということは,普段から教授に指摘されていることであるが,なるほどこういった全く新しい「世界」を構築するということをするためには,ある種一貫した考え方が必要となるのだろう.

さて,本フレーズには,もう一つ興味深いポイントがあった.理論が発明者を選ぶ,という考え方である.これは非常に救われる.何しろ理論の方が勝手にこちらに来てくれるのである.こちらはちゃんと毎日努力しておけばよい.同様の安堵感は,教授に「志があればお金はついてくる」と言われたときにも感じた.頑張っても頑張っても結果が出ないことが多い研究の世界で,こういった「頑張ればなんとかなる」的な思考ができることは,非常に精神的に良い.

こういった「精神的な拠り所」を求めるは,昨年辺りから顕著にパン山insideに見られる兆候である.世の中どうやってもうまくいかないことがあるし,理不尽に辛いことが起こったりすることもある.そうしたときに,何でも良いから精神的にすがれるものがあると良い.パン山さん的には付き合ってる彼女だったり,ヨガだったり,あるいは上に述べたようなちょっとした言葉だったりした.後輩に博士後期課程に進む子がいて,「精神的にすがれるものを作っておいた方が良い」と言ったが,これは全くもって経験的な話であった.特に博士後期課程に進むと深い交友関係が減ってくる(浅い交友関係は増える,というか増えないと色々まずい)ので,悩みが共有できたり,あるいは解消できたりする手段があると良い.逆に,精神的な拠り所がないと感じる*4人は,個人的には進学をあまりおすすめしない.